昨日は、午前中から午後一杯にかけて、3名の被告人中、2名に対する被告人質問が順次行われました。2人目が、私が弁護している被告人でした。
被告人質問自体は、特に問題もなく淡々と進みましたが、裁判長が、質問の長さや、おそらく内容も見つつ、予定とは必ずしも一致しないタイミングで、適宜、休憩を入れていたのが印象的でした。裁判に慣れていない裁判員にとって、法廷で座ってやり取りを見て聞いているだけでかなりの負担になっているはずで、こういった柔軟な対応は必要かつ有益なものと感じられました。
私自身は、通常の刑事裁判以上に、わかりやすく、ゆっくりと質問を行うつもりでいたのですが、時間が限られていたため、わかりやすく、のほうは何とかなったようには思いましたが、ゆっくり、のほうは、やや早口になってしまったような気が、後からしました。時間との兼ね合いもあるので、あまりゆっくりやっていては間に合わなくなりかねず、なかなか悩ましいものがあります。
予定通りではない休憩の取り方はしたものの、終わったのは、ほぼ予定時間通りで、これで2日目が終了し、3日目は、残り1名の被告人質問や、情状証人、弁護人請求証拠の取調べ、論告、弁論が行われ結審の予定です。
何とか弁論の準備を終えた後、このエントリーを書いているところですが、自白事件であるから何とか間に合ってはいるものの、これが否認事件であれば、連日開廷で4日目に判決、といったスケジュールでは、とても弁論の準備ができそうになく、かなり厳しいものがあるように感じられました。実際にやってみると、裁判員裁判の大変さがよくわかり勉強になります。
土浦・女児窒息死 祖父に禁固1年求刑
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20100119/CK2010011902000111.html?ref=rank
検察側は冒頭陳述で、被告が昨年十一月四日夜、被告の母の通夜のため、被告方を訪れていた孫の滝艶凜叶(えりか)ちゃん=当時(3つ)、札幌市東区北二十六条=が「寝たくない」と泣き始めたため、「お母さんの言うことを聞きなさい」と布団に連れて行き、艶凜叶ちゃんをうつぶせに寝かせて布団の上から頭や手足を押さえつけたと説明。論告で「被害者が苦しむことは認識していた。犯行は執拗(しつよう)で悪質だ」と指摘した。
罪名が重過失致死罪になっていますが、検察官が「執拗」と指摘し、被害者が窒息(!)しているほどですから、かなり強い力で押さえつけたものと思われ、そうであれば、基本にあるのが暴行ですから、傷害致死罪の適用も十分考えられる事案ではないかという印象を受けます。あるいは、基本行為については、一種のしつけの意図があり違法性まで問いにくい、といった考慮が検察庁にはたらいたのでしょうか。しかし、3歳の幼女を窒息するほど押さえつける行為に、違法性がないという理屈を見出すこと自体が困難という気もします。
考え始めるとわからなくなる事件ではあります。