ドラマ等の「法律監修」

以前、

法律監修
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060429#p1
法律監修(続)
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060528#1148781130

でコメントしたことがありますが、私自身、時々、こういった仕事を頼まれることがあります。
ただ、依頼されてやっていることが、「法律監修」という言葉から通常感じられる内容かどうかということになると、ケースバイケースで、率直に言って、「監修」という言葉はやや強すぎるのではないかという印象があります。ドラマやそれに類するのものは、ドキュメンタリー、ノンフィクションではありませんから、現実の司法手続とは異なる描かれ方をすることもありますし、そういったところを捉えて、監修しているのにおかしいのではないかと言われ始めたら誰もそういったことを頼まれてできなくなってしまうでしょう。現実の司法手続(捜査、公判など)が描かれているのであれば、現実とかけ離れたものにならないようにアドバイスし、かけ離れてしまって視聴者等に奇異な印象を与えたり疑問を生じさせたりしないように協力するというのが、行われている実態に近いと思います。それを、「法律監修」というのが間違いではないと思いますが、アドバイザーとか、私が某ドラマで紹介されているような検事指導といった表現のほうが、より実態に即しているかもしれません。私が最初にそういった仕事を依頼されてやったのはドラマ「HERO」のシーズン1(2001年)ですが、その際は、肩書きをどうしましょうかとフジテレビのスタッフから問われ、リーガル・アドバイザーでどうですかと提案し、その後、関与した2007年の映画まで、その肩書きで紹介されていました。
また、法律監修といっても、あまりその分野に詳しくない弁護士が、ほんの申し訳程度に台本を見ている程度といったケースもあるようです。私の場合、やる以上はかなり細かくチェックして意見を述べていますが。
以上のような事情は、一般の人々からはなかなかわかりにくいものではありますが、最近は、見る側の目も肥えてきていますから、制作側としても、しっかりとした態勢で臨む必要性がますます高まっているということは言えるかもしれません。