「君のいた時間 大人の流儀Special」

 

著者のこのシリーズはおもしろくて、私も順次読んでいるところですが、本書は、このシリーズの中ではちょっと違った内容で、著者と愛犬たちの生活、出会いや別れが描かれています。読んでいると、意外におもしろく、また、こうしたペットとの心の触れ合いや、飼っている側にとってもなくてはならない存在になっていく様子が赤裸々に描かれて、興味深く通読しました。

私も、幼い頃、実家にコリー犬がいて、一緒に遊んだりしていたことが、読みながら思い出されました。死んだ時には実に悲しく、田舎ですから父親がリヤカーを持ち出してきてそれに遺体を乗せ、父親や弟と一緒に、泣きながら近くの山に埋葬に行った時のことも思い出されました。

心象風景を描くことに巧みな著者により、人とペットの微妙な機微が描き出され、日頃読んでいる本とは違った意味で興味深い内容でした。