「安倍晋三回顧録」

 

よく売れているようですが、私はKindleで通読しました。結構長くて、読むのに骨が折れましたが、いろいろと考えさせながら読ませる内容だと思いました。

これだけ安倍氏がまとまってインタビューに答えていたというのは、今となっては貴重なものでしょう。どのような考え方に基づいて物事を進めていたのか、都度、どういう気持ちでいたのか、といったことがかなり踏み込んで語られているのは随所で印象的でした。歴史における貴重な証言と言えるでしょう。

その一方で、政治家の回顧録にはありがちですが、独善的な面、正当化を図っているのではないかと思われる点、当時の状況の中で果たしてそうであったのかと疑問を感じる点も随所に見受けられ、語られていることを全面的には受け入れられないのではないかと感じるものもありました。そういった点は、鵜呑みにせず、今後ともきちんと検証されていくことが不可欠でしょう。

そういった問題点を抱えつつも、安倍氏の考え方や人や物事への見方がかなり率直に語られていて、興味深いものがあると感じつつ読み終えました。

長いですが、政治に関心がある人にとっては必読文献でしょう。