「止まった刻 検証・大川小事故」

 

2011年3月11日に起きた東日本大震災の際、津波被害で多数の教員、児童が亡くなった大川小学校の事故について、河北新報が、紙面での連載を書籍化したものです。2019年に出て、割とすぐに買ったのですが読めていなかったものを、近々、大河小学校付近へ行く機会があり見学にもいく予定なので通読しました。

事故が起きた経緯や被害者遺族、関係者によるその後の捜索活動、裁判に至った経緯や裁判で問題となった点などが、コンパクトにまとまっていて参考になる内容でした。

この悲惨な事故を通じて得られた貴重な教訓が、今後に大きく生かされていくことを願わずにはいられませんでした。

あと、感じたのは、河北新報のような地元紙が、事故とで起きたこういう事故を丹念にフォローし、問題点を浮き彫りにしていく、そういう活動の重要性でした。全国紙、テレビのキー局では、なかなかそういうきめ細かいフォローはできないでしょう。そういった機能を果たす地方の新聞社、テレビ局といったマスメディアが、今後も厳然と存在し続けていく必要性を強く感じるものがありました。