「服部卓四郎と日本陸軍」

 

 

昭和史関係の本を読んでいると、服部卓四郎は、敗戦までの参謀、戦後は再軍備へと動いた旧軍人としてよく登場しますが、服部本人を取り上げた本は、私は読んだことがなかったので、この本を興味深く読みました。

読んで感じたのは、頭脳明晰、人当たりも良く、組織の中で中枢を歩みやすい人物ではあったものの、日本の進路を大きく誤らせた、その責任は重大であったということでした。ただ、それは服部本人だけの問題ではなく、服部的な人間をのさばらせた日本陸軍、日本的な組織にこそ大きな問題があったということでしょう。

戦前、戦中、戦後の日本を考える上で、参考になる一冊だと思いました。