激変する「成績が良い」の基準──世界に遅れていた日本の初等中等教育が変わる

激変する「成績が良い」の基準──世界に遅れていた日本の初等中等教育が変わる|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

すでに世界の初等中等教育では行われている、先生が教えるのではなく生徒が教える「反転授業」、スライドショーでプレゼンして、それを皆でディスカッションして、正しいやりかたにたどり着く「アクティヴ・ラーニング」が、当たり前のように日本の小学校、中学校でも行われるようになっていくわけです。

ギガスクールでは、成績のいい子の基準は次のようなものになります。

・問題を発見できる子
・その問題をプレゼンできる子
・正解があるかどうかもわからない問題の正解を求めて探究できる子
・探究の結果をプレゼンできる子
・プレゼンを聴いて、質問のできる子
・自分の考えを積極的に述べてディスカッションできる子

10年もすれば、このギガスクールで育った第一世代が、大学卒の新入社員として、会社に入ってきます。このように育った世代が、入社3年目にして、早くも会社を大変革させる。そのような状況が、この国のいたるところで起こってくるのではないでしょうか。

私の前後数年くらいの人々を見ていると、暗記したことを答案で吐き出すような勉強をしてきたせいか、頭が硬くて応用が効かないタイプの人が多い印象があります。勤勉に良いものを作って世界中に売りさばいて繁栄していた昭和時代ならそれで通用しても、不確実な、答えのないことの連続の中で最適解を見出していかなければならない現代において、そういう古い教育では日本が衰えるばかりでしょう。

知識を頭に詰め込まなくても、ネット上の検索で、膨大な情報が出てくるわけですから、そういった情報をうまく利用して物事を組み立てられる能力こそ必要になります。問題が発見できなければ検索もできませんから、上記のような発見、探求、思索、そのような作業により得たものを他者に適切に伝えていく能力こそ重要だと思います。

日本の教育が、時代に即応できるように大きく刷新、前進することを期待したいものです。