留守電に現金のお礼 日大前理事長の妻「たくさん頂いて」 脱税事件

留守電に現金のお礼 日大前理事長の妻「たくさん頂いて」 脱税事件(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

理事長の妻は後日、籔本被告の携帯に電話し、留守電サービスに「紙袋の中を見たらたくさん頂いていて、ありがとう」などという趣旨のお礼のメッセージを残していた。

脱税事件の場合、問題となっている所得が誰に帰属するかが重要な問題で、そこを誤ると、真っ白な無罪になってしまうので、検察捜査時には慎重に検討すべき点の1つとされています。

報道によると、理事長の妻も、大きな影響力を持っていたようであり、そういう人は、よく「淀君」などと渾名がついたりするものですが、現金を持ってくる側としても、そういう妻のご機嫌を取ろうと、むしろ妻宛てに現金を持ってきているということもあり得ることです。理事長に、妻にというより「夫婦に」持ってきていることもあり得るでしょう。そういう帰属の問題を証拠によりクリアにしておかないと、全部が全部、理事長のものと認定した後に、そうではなく妻に帰属するものだという争点が出てくることがあり得ます。

特捜部、国税当局は、そういった点についても慎重に詰めの捜査を進めているのでしょう。

上記の記事にある留守電は、現金授受の裏付けになり得るとともに、贈られた現金が妻に帰属することを窺わせる可能性もあって、捜査当局にとっては手放しで喜べない証拠になる可能性はあると思います。