Googleが提供した位置情報で、男性が誤認逮捕されかける

Googleが提供した位置情報で、男性が誤認逮捕されかける - Engadget 日本版

つまりマッコイ氏はたまたま近所にある家の近くを3回通り過ぎただけで、他に理由もなく容疑者にされたと言えます。もしも両親に弁護士を雇えるだけのお金を出してもらえなければ、また自分がGoogleにいつ、どのように位置情報を渡していたか気づかなければ、誤認逮捕されていたかもしれないわけです。
実際、NBCニュースは米ウィスコンシン州ミルウォーキー警察を退職した人物による、ジオフェンス令状のおかげで殺人や銃撃、強盗や性的暴行事件などの犯罪を解決できたとの証言を伝えています。その一方で、裁判所でジオフェンス令状に異議申し立てがほとんど行われないとの実情も報じています。なぜなら令状が秘密裏に取られるため、弁護側がそれを使われたことに気づかない可能性があるためです。

 こういった情報は、捜査上、有益であり、時には事件解決の上で決定的なものになり得ますが、証明力が強いと見られるが故に、誤った方向へ事件を暴走させる危険性も併せ持っていると言えるでしょう。

DNA鑑定にも、そういう側面があり、足利事件で、決定的と考えられていたその証明力自体が、実は誤っていたことが後に判明して、冤罪、無罪へとつながっていったのは、そういう問題点が顕在化したものと言えるでしょう。

そういった問題を、上記の記事はいろいろと考えさせるものがあります。証拠を、ちょっと距離を置きつつ冷静に吟味する姿勢が常に欠かせないということでしょう。