容疑に反論し続けた27分 ゴーン氏「発言機会に感謝」

容疑に反論し続けた27分 ゴーン氏「発言機会に感謝」(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

陳述の終盤では、自らの日産への貢献を振り返った。「私は人生の20年間を、日産の復活に捧げてきた。日夜を問わず、地上でも機上でも取り組んできた」。フェアレディZやGT―Rといった名車を復活させたことなど、経営改善を示す数々の成果を列挙。「これらは家族の次に、最も大きな人生の喜びだ」と表現した。

勾留理由開示手続は、身柄を拘束された者が拘束理由を公開の法廷で明らかにすることを求めるという、人権上、重要な手続として設けられていますが、実際の運用は、裁判官が通り一遍の理由を言うだけで終わる、建前的な制度になっています。

被疑者、被告人としての、実際の現実的なメリットとしては、自らの正当性を公開の法廷で訴えることができ、そのような姿を傍聴人に、さらにはマスコミ等を通じて世間に対して知らしめることができることにあります。

その意味では、ゴーン氏の上記のような意見陳述は、私から見ても、よく練られた、効果的なものと感じられましたし、特に、ゴーン氏の容疑や日本の刑事司法に疑念を持っている海外メディア、海外メディアを通じて情報を得ている多くの人々に対して、強く訴えかける効果があったと言えるでしょう。

ただ、世論が盛り上がれば、即、無罪になるかというと、そういうものでもなく、今後の公判は、証拠をいかに評価するか、いかに検察、被告人、弁護人が有罪、無罪それぞれの方向で裁判所を説得できるかに依っています。

その意味では、勾留理由開示にありがちな(そうならざるを得ない性質を元々持っているのですが)セレモニー的なものであったと言えると思います。