「密室」立証に自信=やりとり細部まで把握―文科省汚職・東京地検

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180724-00000080-jij-soci

収賄側は、検察の描く構図を「無理筋だ」と批判。「よろしく」といったやりとりの録音データも残されていたが、佐野容疑者の弁護人は「あいさつ程度の話。息子を合格させてほしいという趣旨ではない」と不正合格の依頼や、合格が賄賂に当たるとの認識を否定した。

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20180705#p2

で少しコメントしたように、賄賂とは「人の需要、欲望を満たすに足りる一切の利益を含む」とされていますから、裏口入学の利益もそこに含まれること自体は、今後の本件の公判でも争いにはならないでしょう。
しかし、「裏口」と言っても、大学側には誰を入学させるか決める裁量はありますし、不正と言ってもその中身に応じて不正の程度には濃淡があります。さらに、こういった賄賂は、現金や物品のような、目の前で出されて認識できるようなものではありませんから、客観的な賄賂性が肯定されたとして、特に収賄側が、そういった賄賂の「収受」をいつ、いかなる形で認識したのか、そこが今後の大きな焦点になるような予感がします。
収賄事件で、「幇助」という立場のものが立件され起訴までされるというのは、かなり珍しく、特捜部としては、仲介者の言動や関連する証拠に、立証上の大きな意味を見出している可能性はありそうです。