宮中五十年

 

宮中五十年 (講談社学術文庫)

宮中五十年 (講談社学術文庫)

 

 著者は、子供の頃から明治天皇の側近く仕え、戦後、貞明皇后崩御までその側近くで使えて宮中生活を終えたという人物で、見聞きしたことを、本書では綴っています。特に、明治天皇の日常や人柄と言ったことについては、今となってはなかなか知り得ないことだけに、私にとって興味深いものがありました。その気さくさが印象的で、偉ぶらない、誰に対しても温かく接する皇室の伝統が明治天皇まで遡ることを感じました。

今では既に行われなくなっているという当時の宮中行事も紹介されていて、いろいろな意味で興味深い1冊でした。