イスラム教の論理

 

イスラム教の論理 (新潮新書)

イスラム教の論理 (新潮新書)

 

 たまたま本書の存在を知り、興味を感じて読んでみました。読み始めると止まらなくなり、一気に通読しました。

イスラム原理主義者のテロは世界各国で繰り返され、甚大な被害を出し大きな脅威となっています。著者は、コーラン等で展開されるイスラム教の教えに忠実になることで、そういう動きが必然的に出てくると論じます。奴隷制度も、元々、イスラムの教えの中で認められているもので、西洋型民主主義の価値観を持つ人々にとって極悪非道な行いも、イスラムの価値観にあってはごく当たり前のことである、といったことが具体的に論じられています。

書いてある中身が、すべて正しいかどうかは、宗教に素人の私として判断がつきかねますが、本書で展開されている視点は重要な意味を持っていると感じました。根本的に世界観、価値観が異なる人々と、いかに共存するかを考える上で、まずは、異なる人々が何に依り、どういう考え方を持っているのか、的確に把握、理解するのが先決でしょう。

そういう意味で、参考になる一冊であると感じました。