https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170821-00000084-mai-soci
背任罪の適用には、職員が自己や学園の利益を図り、国に損害を与える意図があったとの立証が必要。典型的なのは金銭授受などで両者が癒着するケースだが、今回その事実は見つかっていない。
私自身、検察庁にいた当時、背任罪で起訴したこともありますが、その数は僅かで、捜査も起訴もしにくい、難しい犯罪構成要件という印象が非常に強いですね。以前、警察に、被害者の代理人として事件相談に行った際、背任罪構成で持って行ったところ、背任罪では警察内部で理解を得ることが困難なので(業務上)横領罪で持って来てほしいと逆に頼まれたこともありました。警察としても背任罪というのは難しい犯罪構成要件なのだなと感じたことが思い出されます。
この件については、マスコミ各社から、かなり取材を受けて、そういった自分自身の経験にも照らし、立件、起訴の難しさをお話してきました。日本では、行政上の様々な問題について、司法や捜査機関以外の第三者が客観的に調査、チェックするという仕組みがかなり弱い面がありますが、そういう弱点を強化する必要性を痛感するものがあります。犯罪、刑事事件というものは、どうしても成立範囲が狭くなりがちで(逆に、広すぎると人の行動が過度に制約され怖いものがあるでしょう)、そこに過度に依存する、期待することは、良いとは思えません。