PC遠隔操作事件

PC遠隔操作事件

PC遠隔操作事件

著者の神保さんから贈っていただきました。ありがとうございました。拾い読みですが、少し読んでみました。
この件については、犯人からの告白メールなどが私のもとにも送られてきて、犯行後ではありましたが私も渦中に入ってしまった面があって、この本の中でも複数の箇所で出てきます。事件の流れやその後の特異な経緯(犯行告白などのメールが繰り返されたり保釈中の被告人が真犯人を装ってメールを送るなど)が、割と丁寧に紹介されていて、類書が見当たらないことから、資料的な価値も本書にはあるように思います。
このような「劇場型」の犯罪は、かつてのグリコ・森永事件など、時々起きることがありますが、インターネットがこれだけ普及し、劇場化がかつてよりもはるかに容易になっている現状で、今後もこの種の犯罪が起きる可能性はあると思います。犯罪というものは、結局は人間の営みであり、同じようなことが繰り返される面はあって、その意味で過去の事件に学んでおく意義には大きいものがあります。本書もその意味で今後の参考になる1冊となることでしょう。