キャスターという仕事 (岩波新書)

著者がキャスターを務めていたクローズアップ現代は、私も時々観ていましたし、VTR取材を受けてちらっと出たこともあって、キャスター降板は残念だと今でも思っています。そういうこともあって、通読してみました。
著者のジャーナリストとしての歩みや、クローズアップ現代に取り組んでいた様子が率直に語られれていて、毎日、当たり前のように放映されていた番組が作り上げられるのに多数の関係者、協力者の膨大な労力がかけられていたことを強く感じました。物事には必ず終わりがありますから、著者の降板もいつかはやってくることではあったとはいえ、別の形でこれだけの蓄積を新番組として生かすことはできなかったものかと、その点でも残念さが残りました。
とはいえ、これだけのことを成し遂げてきた著者、スタッフですから、この経験、蓄積を、今後へと是非とも生かしてほしいものだと思いました。