歴史の真相を闇に葬るNHKと朝日新聞の罪

http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakayoshitsugu/20160828-00061587/

日本の検察は日米安保体制の根幹に関わる軍用機売り込み工作には全く手を付けず、事件を民間航空機売り込みに捻じ曲げて田中一人に罪を負わせた。

当時の捜査の真相は、今となっては藪の中ですが、ただ、私から言えるのは、捜査というものは具体的な証拠に基づいて進めざるをえず、具体的な証拠があらゆる真相を解明するだけ揃っている、ということは、現実にはないので、事件というものは、証拠で立証できる範囲でまとめられ終わって、そこからはみ出した部分は、未解明なままで終わってしまわざるを得ない、そういう宿命のようなものを持っています。ロッキード事件でも、トライスターという民間機の売り込みについては、米国側で当時のロッキード社の関係者がかなり具体的に証言するなど、立件、起訴できるものがあった一方で、P3Cのような軍用機については、証拠が乏しかった、事件としてはトライスター絡みでまとめざるをえなかった、というのが、おそらく捜査の実態ではなかったかと思います。解明できたというところを評価すれば、記事で批判されている、朝日やNHKのOB記者のような論調になり、解明できなかったことを問題視すれば、上記の記事の執筆者のような論調になるのでしょう。ただ、では、意図的に「全く手を付けず」「捻じ曲げて」ということなのかというと、それはどうだろうかという疑問を、捜査経験がそれなりにある私としては感じるものがあります。
ロッキード事件も歴史の中の事件になったな、ということを、しみじみと感じます。