名作として有名でありながら観ていなかったので、最近、観たのですが、アマゾンではアダルト商品になってしまっていて、それほどのものか、という印象はありました。
作品としては、私は、元親衛隊員と強制収容所にいた少女(シャーロット・ランプリング)の関係が、いまひとつもやもやとした感じでわかりにくく、名作と言われているほど良いとは思わなかったのですが、むしろ、作品の舞台となっているウィーン、オーストリアにおける戦後それほど経っていない頃のナチス関係者の有り様やそれを許容し排除しない(できない)社会といったことのほうに(それが本作品の重要な背景になっているわけですが)強く興味を感じました。
昨年、日本でも上映され、私も観てコメントした、
顔のないヒトラーたち
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20151006#1444094738
で描かれていた、戦後間もない頃のドイツ(西ドイツ)が正にそのような状態で、そういう状態を乗り越えてきたドイツと、今なお不徹底、曖昧なものを抱えたままで来ていると言われているオーストリアについて、更なる勉強の必要性を感じたことが、この「愛の嵐」を観た収穫であったように思います。