零戦ニ欠陥アリ 設計者たちの記録

アマゾンで見つけて、既に観たかどうか記憶があいまいだったこともあって、買って観てみました。2005年にNHKETV特集で放映されたものですが、まだ存命の関係者(ネットで見るとその多くはその後に逝去)にインタビューしていて、この時期はこうした関係者に直接インタビューできる最後の時期になっていたのだなと感じるものがありました。
紹介されている「欠陥」は、既にいろいろな書籍でも指摘されていることで特に目新しさはありませんでしたが、改めて零戦の負の側面というものを考える上で参考になるものでした。この中でも指摘されている防弾性能の欠如は多くの搭乗員の生命を失わせることになりましたが、そうした性能を犠牲にしても空戦性能や航続距離などを向上させた、実力を超えるものを作ろうと無理をした、その無理が、結局、日本を敗戦へと導くことになったのではないかと感じるものがありました。
日本が世界をリードし、と、今でも大言壮語する政治家やそれを支持する人々は後を絶ちませんが、無理をすればひずみが出る、そのツケが回るのは今も昔も一般国民ということは、肝に銘じておかなければならないと思います。そういったことも零戦が残した教訓だろうと思います。
零戦のこういった問題について、知っている人にも知らない人にも、わかりやすく理解しやすい丁寧な作りになっている良い内容でした。