山本五十六 戦後70年の真実

山本五十六 戦後70年の真実 (NHK出版新書)

山本五十六 戦後70年の真実 (NHK出版新書)

連合艦隊司令長官山本五十六には、堀悌吉という海軍兵学校時代からの親友がいた。堀はやがて海軍を追われるが、彼のスーツケースからは、真珠湾攻撃の直前まで山本と交わしていた書簡が遺されていた――。発掘された史資料をもとに、山本の実像に迫る! 大好評を博した、NHKBS1スペシャル 山本五十六の真実』待望の書籍化。

昨年、放映された上記番組を見そびれているうちに、書籍化されたので、書籍のほうを先に読むことになりました。番組のほうも、近く見たいと思っています。
山本五十六と堀悌吉(いわゆる「条約派」に属し、早くに予備役に編入され失脚)の親密な関係は、様々に紹介され有名ですが、この本では、堀悌吉が残していた書簡をベースに、山本五十六の生涯、日独伊三国同盟や日米戦に反対しつつも海軍軍人として日米戦に深く関わらざるを得なかった矛盾や苦悩を、うまく整理してコンパクトに紹介していて、山本五十六についての入門書的な位置づけもできる良書だと思いました。
堀悌吉の人物像についても、本書ではいろいろと紹介されていて、稀に見る秀才であるだけでなく、バランスの取れた思考、行動ができる、その意味でも優れた人物であったことが明らかにされていて、このような人物を早々と予備役に追いやったことによる多大な損失ということを、改めて痛感させられました。
夏休みに、海軍に関して、ささっと読めるものを何か、と考えている人にもお勧めできる一冊です。