ドラマでは「あこがれ」でも…減り続ける副検事

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150624-00050091-yom-soci

検察を舞台にしたテレビドラマ「HERO」では、検事の補佐役である事務官から登用するあこがれの役職として描かれたが、責任が重く激務な上、幹部への昇進も難しい。こうした実情から敬遠されているとみられるが、再犯防止には「小さな事件」を担当する副検事の力は不可欠で、検察は重要性を職員向けにアピールするなど、人材確保に乗り出した。

私も、検察庁にいた当時はいろいろな副検事さんに接する機会があり、自分の事件の応援に入ってもらったこともあって、こういうニュースに接すると他人事とは思えないものがありますね。
副検事の供給源は、ほとんどが検察事務官で、時々、警察官や海上保安官裁判所書記官といった人がなることもあります。ざっくり言って、検察事務官で、捜査畑で力を発揮したいと思う人は副検事を目指し、事務方で活躍したい人は事務局勤務系で働いて、後者は、出世すると地検の事務局長などになる、ということになると思います。副検事になると、一般の公務員の定年が60歳であるのに対し定年が63歳に伸び、また、いわゆる公安職というジャンルになって給与ベースが上がりますが、仕事はかなりハードで、事務方に比べて確かに負担は大きくなるでしょう。副検事の管理職、というのもほとんどなく、定年まで一副検事ということになりますから、年齢を重ねるにつれて徐々に身体がきつくなってくる面もあると思います。
従来は、それでもやりがいを感じて副検事を目指し、頑張って続けるという人がそれなりにいたところが、人の気質、考え方も変わってきたのか、そういう大変な仕事は避けるという傾向が徐々に強まりつつあるのかもしれません。
単に抽象的に、やりがいがあるから、などと言うだけでなく、忙しいときはなかなか休みにくくてもその分は後にきちんと休みが取れる(取らせる)とか、生活を過度に犠牲にしなくても務まるような仕事である、そういう仕事としてきちんと位置づける、といったことも確実にやって、優秀な人材を確保できるようにすべきでしょう。