映画「レイルウェイ 運命の旅路」

昨年に日本で公開された映画で、映画館で観たかったのですが忙しくて観そびれてしまい、やっとDVDで観ることができました。
ちょっと前に、弾丸のようにタイのカンチャナブリへ行き、映画「戦場にかける橋」の後に有名になったクワイ川鉄橋や、「レイルウェイ」にも出てくる風景を見てきたところだったので、よりリアルに感じられつつ鑑賞できました。

http://f.hatena.ne.jp/yjochi/20150503124511
http://f.hatena.ne.jp/yjochi/20150503124710

この映画では、泰緬鉄道建設中に、日本軍の虐待を受けつつ工事に従事したイギリス兵であった主人公が、戦後もトラウマ、PTSDに苦しみつつ、自分を虐待した日本兵への復讐を考えつつ生きていたところ、その日本兵の消息をたまたま知り、復讐を考えつつ会いに行って・・・という流れで進みます。過酷な鉄道建設、捕虜虐待が再現される一方、イギリスの風景やタイ・カンチャナブリの風景が美しく織り込まれ、演技、演出も巧みで、クオリティの高い作品として仕上がっているという印象を受けました。
主人公と元日本兵がどうなったかは、是非、映画や原作の

レイルウェイ 運命の旅路 (角川文庫)

レイルウェイ 運命の旅路 (角川文庫)

で読んでいただきたいのですが(原作のほうは私もこれから読むところです)、強く感じたのは、歴史の中で何が起きたのかについて、できる限り正しい認識、理解を持つことが大切であり、それについて、謝罪、贖罪を真摯に行うことが、憎しみを乗り越えることや和解につながるのだろうということでした。ひどい仕打ちについて、したほうは忘れたり正当化しようとしても、されたほうは忘れることはないし世代を越えて語り継がれる、そこに残る憎しみの連鎖を乗り越えるためにどうすべきかということは、その渦中にある日本、日本人にとっても重い課題であり、今後も真摯に考え行動しなければならない問題だろうと思います。
そういったことを、憲法記念日の今日、考えていました。