交際相手の女に有罪=ASKAさん覚せい剤事件―東京地裁

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150113-00000086-jij-soci

鈴木裁判官は、同被告の尿と毛髪から覚せい剤が検出されたことについて、ASKAさんの精液や汗が混ざった可能性を否定。「ASKAから知らない間に摂取させられた」とする主張を、「具体性がなく、不自然」として退けた。

この件については、昨年、

ASKA愛人、最強弁護士で無罪も
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20140909#1410263845

とコメントしたことがあり、そこで、この種の覚せい剤自己使用否認事件での認定の在り方、ポイントを指摘し、

裁判所が、自己の意思に基づかずに覚せい剤が体内に入り、鑑定書でそれだけの結果が出るほどの具体的な可能性があったと認定するかどうかであり、報じられている内容を見る限り、そこまでの心証を裁判所が得るだろうかと感じるものがあります。

とコメントしたのですが、案の定、裁判所は、「そこまでの心証」を持たなかったということでしょう。裁判所が、上記のような認定をするに当たっては、上記のエントリーで、

ASKA氏への被告人質問で、検察官が、この愛人氏へ隠して覚せい剤を施用していたことはなかったことを強く念押ししていたことが報じられていましたが、その点を押さえておきその可能性を封じておこうとするのは、この種事件での検察官の常道です。

ともコメントしましたが、検察立証が思い描いたとおり奏功したということになると思います。無罪へ、ということになるためには、これは意に反して、あるいは知らない間に覚せい剤が体内に入ったのではないかと裁判所が身を乗り出すような、具体性のある主張、立証がないとなかなか難しい、ということでしょうね。