映画「フューリー」

http://fury-movie.jp/

第二次大戦中のヨーロッパ戦線における、ナチスドイツ軍と戦うアメリカ陸軍戦車隊、その中の「フューリー」という愛称の戦車に乗ったチームを描いた映画で、上記のサイトの予告編でもわかるように、戦車による戦闘シーンが実にリアルで、それを見るだけもこの映画を観る価値があると言えるかもしれません。「戦場のリアルさ」にかなりこだわっていて、過去の戦争映画にあるような、何だかきれいな、戦場らしくない道を妙にきれいな戦車が走る、といった感じではなく、戦闘でぐちゃぐちゃになった、実に汚くて醜い戦場を、泥だらけの小汚い戦車隊が走りながら、不意の攻撃を受けて砲塔が吹っ飛んだり人が火だるまになってもだえ死んだりします。観ているだけで、戦争は嫌だという反戦気分が出てくるような、そういう気持ちになりました。
ストーリーは、それほど起伏に富んだものではなく、淡々と進みますが、観終わって感じたのは、戦争はきれい事では済まず人が落ちるところまで落ちて相争い、互いに傷つき死んでいく地獄である、ということでしょうか。戦争というものをリアルに実感してみたい人にとっては、あくまで映像を通じてですが、参考になると思います。
興味深く、心に残る作品でしたが、気持ちのテンションはがくっと下がりました。戦争というものはそういうものでしょう。