「Apple Pay」「おサイフケータイ」、何が違う?アップルが今回、あえて捨てたものとは

http://toyokeizai.net/articles/-/47779
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Apple Payでは、機器をタッチすると「触れたiPhoneを特定する秘密の情報」と、取引額が交換される。さらにネットワークで「そのiPhoneがどのクレジットカードに紐付いているのか」という情報がやりとりされ、最終的に支払い・決済へとつながる。
利用者は単に「iPhoneApple Watchで触れるだけ」で決済できるわけだ。特定のアプリを起動したり、機器の電源を入れたりする必要がないところにこれまでにない簡便さがある。

さらにもう一つ重要な点がある。今回、この決済によって発生する取引情報、個人情報を、アップルも小売店も、一切記録しないことを宣言した。

これまでNFC決済があまり広がらなかったのは、参入事業者の多くが、「カネのなる木」である決済を握って、そのビッグデータを商売にしようと躍起になっていたからである。

アップルは「簡単」「安心」を軸に、そうしたジレンマを解決しようとしている。

そのかわり、アップルは巷間言われている、巨大なビジネスチャンスを捨て去る選択をした。

日本のNTTドコモなどは、我々は土管にならない、などと意気込んで、くだらないサービスを提供しようとしますが、アップルは、決済においては「土管」に徹する選択をしたということではないかと思います。この仕組みが幅広く普及し便利になることで、人々がiPhoneをより選択するようになり売れるという、そこに狙いを定めてフォーカスしてきたということでしょう。全世界でものすごい数が売れるiPhone、それを売りまくるアップルだからこそできた、大胆な選択ということを感じます。
現状で、ポストペイ型の電子マネーは日本でもあまり普及していませんが、少額決済もクレジットカードで行うことが多い欧米では特に、こうした、クレジットカードなしでiPhoneだけあれば決済できるポストペイサービスはかなり便利で魅力的に受け止められるのではないかと思います。iPhoneの全世界での普及度を考えると、今後、この種のポストペイ型の決済サービスの主流になり、さらにはプリペイド型も圧倒して、決済サービスの中心に躍り出てくることも十分考えられるところで、大いに注目されるところではないかと私は感じています。