世界で広がる「脱LCC」の波 競争のステージが変わった航空業界

http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20140903/270766/?n_cid=nbpnbo_mlp&rt=nocnt

「背伸びをしすぎた結果だ」。国内外の航空関係者は、スカイマークの顛末をこう評価する。確かにA380の購入は背伸びをしすぎだろう。今回の経営危機は、西久保社長の経営判断ミスによるものと言えるはずだ。
しかし一方で、世界の動きを見ると、スカイマークの判断は決して航空業界のトレンドに逆らうものではないことも分かる。

私は、スレータス(スターアライアンス)やマイレージの関係で、ANAに乗ることが多いですが、料金には割高感があるものの、しっかりした組織が運行をがっちりと支えていて対応力が高い、それに対する安心感、安定感には評価すべきものがあると感じています。ただ、ちょっとプライベートで国内、海外に行くような場合は、気分も変えつつ、手軽で安いLCCも使ってみたいし、ANAのようなレガシーキャリアLCCの中間にある、スカイマークのような航空会社も、状況により便利で使いやすい存在になるとも感じています。前に、羽田ー神戸をスカイマークで往復した際には、片道約1万円、往復約2万円で行って来れて、サービスは至ってシンプルでしたがかなりのお得感がありました。
要は、いろいろなサービスが提供されて、適度に競争してもらい(過度、になるとタクシー業界や弁護士業界のようになるので好ましくありませんが)、利用者の選択の幅が広くなる、というのが望ましく、その中で、航空会社側も適度に儲ける、ウインウインの関係が構築されるのが良いと思います。その意味で、スカイマークは、なかなかユニークで期待できる存在ではないかと、私は感じていたのですが、このような形でつまずいてしまったのは残念と言うしかありません。
航空業界は、当局の規制の在り方如何で、どうにでもなってしまう側面が強く、日本でも、航空行政の在り方が今後も問われると思いますし、国民も、利用者として航空行政に関心を強く持つ必要があるでしょう。A380導入問題で大きくつまずいたスカイマークですが、これで破綻させて終わりにしてしまうのはあまりにももったいなく、当局もうまく知恵を出しつつソフトランディングする道を模索してほしいという気がします。