あの人に会いたい

30代くらいまでは、社会に出た後にお世話になったような人々も、まだ現役でばりばりと活躍し、自分自身も、まだ先は長い、いろいろな可能性があるという、すこぶる前向きな気分でいましたが、今でも気分は前向きなものの、自分の先も徐々に見えてきて、お世話になったり、社会に出た後に出会った人々で、徐々に逝去する人が出てきて、そういう人々のことが、ふと思い出されて、切ない気持ちになることがあります。
信仰心のようなものが今のところないので、死んだらどうなる、といったことについて、確たる考えはないのですが、以前は、死にたくないな、死ぬのは嫌だなと思うだけであったのが、死んでどこかに逝って、そこで、先に逝ってしまった、また会いたいと思っていた人々に会えるのかもしれない、話せるのかもしれない、そういう気持ちがするようになってきました。人は、もしかしたら、このようにして、死というものを、徐々に受け入れるようになるのかもしれません。
昔、検察庁にいた当時、オウム真理教関連の事件で、信者と話していると、私は輪廻転生を信じています、とよく言っていたものでしたが、今の私に、人が輪廻転生するかどうかはわからないものの、死んでどこかへ逝って、会いたい人々に会って懐かしく話をした後は、また現世へ戻ってきて、新たな人生を思い切り生きたい、そういう気がするようになっています。と言うことで、ますます前向きに、死んだ後にどうなるかも楽しみにしつつ今の人生をとことん全うしたいと考えています。