3Dプリンターで拳銃製造か 所持容疑で逮捕

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140508/k10014286831000.html

容疑者の自宅から押収された3Dプリンターは外国製の組み立て式のものとみられ、容疑者のパソコンにインターネットを通じて入手したとみられる拳銃の設計図のデータが保存されていました。
このため警察はこのデータを基に3Dプリンターを使って拳銃を製造した疑いがあるとみてさらに調べを進めることにしています。
3Dプリンターを使って製造したとみられる拳銃が押収されたのは、全国でも初めてだということです。

私は、検察庁にいた当時、オウム真理教による武器等製造法違反事件の捜査に関わったことがあるのですが、その事件では、ロシアのAK74という自動小銃を模したものを作ろうとして、資料もない中、信者が四苦八苦して、試作品を作ったところで終わっていて、捜査を通じ、銃の製造がいかに大変なことであるかを実感したことが思い出されます。
それが、3Dプリンタを使えば、ネット上で拾ってきた設計図のデータを使って、発射、殺傷機能のある銃が簡単に作れてしまいますから、作ろうとする人にとっては画期的であると同時に、取り締まる側からすれば、従来の捜査手法ではまったくマークしていなかったような製造方法が出現したということになって、かなり深刻に捉えるべき事態だろうと思います。
今後は、捜査当局としても、こうした武器系の情報にも注視し、情報収集を継続して行って、作っている、持っているといった情報があれば必要に応じてそこに注目し、捜索押収をかけるなど、従来はやっていなかったような取締りをやらざるを得ないでしょう。銃器取締りが、新たな局面を迎えたということが言えると思います。