ベトナム国鉄の4人逮捕=ODAリベート疑惑

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140506-00000086-jij-asia

6日付のベトナム国営各紙によると、日本の鉄道コンサルタント会社「日本交通技術(JTC)」(東京都台東区)の政府開発援助(ODA)事業に絡むリベート疑惑で、ベトナム警察は国営ベトナム鉄道(VNR)のチャン・クオック・ドン副総裁ら4人を背任などの容疑で逮捕した。 

前に、同種事件の弁護人をやったことがあって、その時もベトナムが舞台だったのですが、またベトナムか、という感じですね。ベトナムが特に悪い、というのではなく、日本の捜査に対して協力的で、同種事件が起きている東南アジア諸国の中では事件化しやすいのかもしれません。
2月に、ちょっとホーチミンに行ってきたのですが、戦争博物館に行くと、ベトナム戦争の際の各国人民の支援に感謝する、という展示があって、最も目立つところに、日本共産党のポスターなどがすごく目立つ状態で展示されていて、日本人民の1人して感慨深い(?)ものがありました。
それはともかく、日本側は不正競争防止法違反に問われる犯罪ですが、日本(東京地検特捜部)とベトナムの捜査当局が、連携しながら動いていると見るべきでしょうね。贈収賄というのは、いわゆる対向犯と言われる犯罪類型で、公判で使用するかどうかはともかく、起訴にあたっては収賄側(ベトナムの役人)の供述調書は、無しというわけにはいきません。日本の捜査員が日本の供述調書をベトナムへ行って作成する、ということは、主権の問題があってできず、実務的には、本件で言えば、ベトナム捜査当局の拘束下にある被疑者の取調べに日本の捜査員が立ち会い、供述調書の証拠能力上で必要になる「特信性」を担保、証言できるようにした上で、そのようにして作成された供述調書(ベトナムの)を、公判で必要になれば、供述者が国外にいるという要件の下で取調べられるようにしておく(刑訴法321条1項3号書面として)、ということになります。
上記のような動きになっている以上、日本側でも立件ヘ向け、特捜部が大きく動きつつあると見たほうがよいでしょう。