https://pid.nhk.or.jp/pid04/ProgramIntro/Show.do?pkey=200-20140429-11-25898
107人が死亡した9年前の福知山線脱線事故。これは効率を極めようとした社会が生んだ事故だったのではないか。英BBCとNHKが事故を誘発する社会背景に迫った。
事務所で仕事をしていて、たまたまこの番組の存在を知って、先程、観ました。なかなかよく取材されたことがわかる、厚みのある番組だったと思います。
便利さ、効率の良さが、激しい競争の中で徹底的に追及されるとき、安全性が疎かになったり犠牲にされがちで、福知山線脱線事故の背景に、そのようなものを見るのは、私も正しいと思います。ただ、ではどうすべきか、というところまで、この番組では、時間の関係もあってか詰め切れてはいませんでした。
そのためには、監督官庁による規制、指導といったことだけでなく、やはり、民事だけでなく刑事面でも、現在のように、予見可能性や結果回避可能性を、具体的なものとして要求する、ハードルの高い過失犯構成で追及するのは無理があり実効性も乏しいでしょう。
例えば、公共交通機関の安全担当者、役員には、安全体制確立・維持義務を課して、人身事故が発生し、安全体制の不充分さが原因になっていることが立証された場合は、安全体制確立・維持義務違反が推定され、反証がされなければ刑事責任を問われる、といったことも、今後考えるべきかもしれません。
そういったことを、いろいろと考えさせられる番組でした。