「復讐ポルノ」疑いで逮捕、愛知 元交際相手の画像投稿

http://news.livedoor.com/article/detail/8572860/

元交際相手や元配偶者の私的な画像を、恨みなどからネット上に投稿するリベンジポルノは若者を中心に社会問題化しており、自民党が特命委員会を設置するなど対策の検討に乗り出している。

上記の記事の件では名誉毀損罪という認定になっていますが、こうした行為は、既存の刑罰法令で、名誉毀損、脅迫、わいせつ電磁的記録頒布等で立件可能な場合も少なくないでしょう。しかし、そうした捉え方ができないものも当然あります。
日本の刑罰法令では、「肖像権侵害」について、処罰する規定がなく、この点については、そうした被害(パブリシティ権侵害、という捉え方になりますが)にあいやすい芸能人、芸能事務所等はかなり前から刑事罰の必要性を強く訴えてきました。肖像権侵害、という捉え方でくくって処罰対象にすれば、こうしたリベンジポルノも処罰対象にしやすいでしょう。
しかし、肖像権侵害を刑事罰の対象にすれば、処罰対象がかなり広範囲に広がってくることになりやすく、表現行為を過度に取り締まることになりかねません。立法技術的に絞りが必要ではないかと思われ、「リベンジポルノ」と言っても犯罪構成要件としてどのようなものにするか、問題は少なくないと思います。
例えば、肖像権侵害行為について、不正な目的(本人を害する目的)といった目的要件を付加するとか、公安委員会による中止命令に反して行為に及んだ場合に刑事罰を科するなど、過剰な取り締まりにわたらない、必要かつ合理的な範囲で取り締まり対象にできる、そういう犯罪構成要件を考えてみる必要があると思います。