ルバング島で潜伏29年、小野田寛郎さんが死去

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20140117-OYT1T00509.htm?from=navr

1944年12月に情報員として、ルバング島に派遣され、終戦後もジャングルに身を隠し続けた。現地警察との銃撃戦で生存していたことが判明し、74年3月、元上官の説得で帰国を決意。約30年ぶりに母国の土を踏んだ。

小野田さんが日本に帰還したのは、私が小学生の時で、日本中で大きな話題になっていましたから、子供心にすごいなと思いましたし、当時、広島でも、小野田さんがルバング島で使っていた生活用具などを展示する展覧会が巡回してきていて、それを親に連れられて見に行き、ジャングルで生き抜く生命力、精神力に驚いたことが思い出されます。また、小野田さんの発見、帰還を機に、陸軍中野学校に注目が集まり、私自身がそこに目を向ける切っ掛けになったという点でも印象に残る出来事でした。
今になって思うと、日本が敗戦に至っているにもかかわらず潜伏を続けていた情勢判断の誤りやそれにより一緒に行動していた日本兵が日本に帰還できず死亡するに至ったこと、また、現地ルバング島で潜伏中に複数の現地の人々を殺傷したことなど、あまり語られませんが、そういった負の側面にも目が行きますが、大きな視点で見ると、小野田さんはやはり戦争の犠牲者である、というべきでしょう。帰還後、講演や教育などで世のため人のために活動したことは、大きく評価すべきものであったと思います。
御冥福をお祈りします。