【アベノミクス匿名論説】薬のネット販売にみる規制改革論の本質

http://getnews.jp/archives/451883

使用者の年齢等の基本情報や副作用情報はインターネットでも情報交換できるが、さすがに現在の技術では臭い情報までは伝えられないということで、今回の政府の結論になっているのである。しかし、こうした医薬品を薬局で買う場合に、果たして臭いまでクンクンと薬剤師に嗅がれる経験をした使用者がどれほどいることか。百歩譲って、それをしている場合があるのだとしても、インターネットで得られるだけの情報を薬剤師が得た上で、必要性がある使用者にのみ改めて薬剤師が対面してクンクンと臭を嗅いだ後に販売できるようにすればよいのであって、はじめから販売を全面的に禁止するという規制のあり方は合理的であるとは思えない。

日本を戦争に巻き込みかねない論点ではヒートアップするのに、国民生活の利便性を高める動きには後ろ向きで尻ごみ、というのが、現政権のちぐはぐな、バランスを失したところでしょうね。
リアルな対面販売にこだわらなくても、リスクが存在する薬品については、インターネットを利用しながらでのリスクに応じた販売を行えば済むことで、本人確認を経た販売、ビデオチャットでのコミュニケーション等々、方法はいろいろあります。「臭い」というのは、ここまで来ると因縁つけている世界ですが、個別対応が必要な例外として位置づければ済むことで(実際にそのようなケースが出ることは極めて稀と思いますが)、そういうレアなケースを、いかにも一般化しなければいけないように議論するところに、既得権益にばかり目が向いている、醜い歪んだものを感じます。
日本が失われた10年、20年を経てもなかなか浮上できず迷走するのは、こういった頑迷なところにもその原因がありそうです。