「時の人」 離任する駐日米大使、ジョン・ルースさん

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着任から1年がたった2010年夏、当時の側近が「大使は日本と日本人を深く理解するため、可能な限り多くの土地を訪れたいと考えている」と語っていた通り、47都道府県を全て訪問した。
米大使として初めて広島と長崎の平和式典に出席。震災被災地や米軍普天間飛行場のある沖縄へは何度も足を運んだ。世界文化遺産中尊寺を見学し、富士山に登り、高野山の宿坊で夜を明かした。「日本の多様性に心を打たれた」という。

その真価は震災時、存分に発揮された。骨身を惜しまず対日支援に力を尽くした功績が認められ、米国務省から11年秋、模範的外交官に与えられる「スー・M・コブ賞」を授与された。

過去の駐日米国大使には、大物政治家出身、学者、実務家など、いくつかのタイプがありましたが、ルース大使は、その中でも実務家タイプであり、かつ、実務家にありがちな単なる「事務屋」ではなく、明確なビジョンを持ちつつ動けるタイプであった、というのが特徴ではなかったかと思います。4年の在任中に、47都道府県すべてを訪問するのは、なかなかできないことであり(日本人の私すら、都道府県すべては訪問できていません)、こうした意欲、志のある人物が、特に東日本大震災のような、日本が危機に直面している時に駐日米国大使という要職にあったことは、日本にとって幸運であったと言うべきでしょう。
日本は、あらゆる国と友好関係を結ぶ必要がありますが、中でも日米関係は今後も重要であり続けるもので、帰国したルース大使が、良好、緊密な日米関係のために、引き続き、できる限り貢献してもらえることを強く願いたいと思います。