http://news.nifty.com/cs/headline/detail/jiji-11X485/1.htm
同法は児童の裸体や性交場面の写真などを児童ポルノと規定。同法をめぐる国会審議などから、同課は実在する児童の写真を精密に模写した今回のCGは、児童ポルノに該当すると判断した。
容疑者は「かつての少女モデルを精緻に描写」などと宣伝。1980〜90年代の少女写真集などを参考に、写真そっくりのCGを描いていた。
- 作者: 渡邊卓也
- 出版社/メーカー: 成文堂
- 発売日: 2006/09
- メディア: 単行本
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によれば(この本は、この分野につきいろいろな考え方を知る上で参考になる良書です)、
「絵」であっても、実在の児童の姿態を描写したものについては、「その他の物」に該当するとされている。確かに、想像の産物としてではなく、実在の児童が実際に性的搾取・虐待を受けている場面を描写するために、写真等で撮影する代わりに「絵」に描いたに過ぎないとすれば、このような「絵」を、写真等と同等に扱うことは妥当であろう。
(196、197ページ)
とされ、引用資料から見ると、立法担当者はそのような考え方であったようであり、複数の支持者もいるようです。警察は、おそらく、この考え方に立って立件したのでしょう。
ただ、上記の本では、同時に、上記のような「絵」(CGも含むでしょう)と、実在の児童をモデルにしているものの性的搾取・虐待については想像に過ぎないものや全くの想像の産物との区別が困難である、という見解も紹介されていて(197ページ)、非実在の児童に関するものを児童ポルノに含めていない現行法制の下で、どこで線を引くかについては微妙さがあるように思われます。
実在する児童に依拠していれば絵やCGでも児童ポルノである、という考え方が強くなればなるほど、実質的に非実在のそれの取締りに近づくことは避けられず、今後の法改正の流れにおいても、本件は、1つの注目すべきケースになるように思われます。