愛知県警:「内通者」に揺れる 山口組系に漏えいか

http://mainichi.jp/select/news/20130630k0000e040131000c.html

愛知県警が揺れている。暴力団捜査を担当していた警部を電話で脅したとして脅迫罪などに問われた男の公判で、「県警に内通者がいた」との証言が相次いでいるからだ。男は、指定暴力団山口組のトップ2人の出身母体である弘道会(本部・名古屋市)と密接な関係にあったとされ、日本最大の暴力団に捜査情報が漏れていた可能性が出ている。

警察、検察といった仕事をしていると、他人がどのような懐まわりでどのような生活をしているか、かなり深いところまで知ることができます。自分が、一生懸命、日夜、事件に追われ、小遣いも少なく楽しくもないのに、人々はお金を持ちこんなに楽しく暮らしている、うらやましい、という気持ちが、人間ですから素朴に起きてくるものです。組織の中で認められ順調に昇進しているような人はともかく、そうではない、少なくともそういう実感が持てないと、次第に、馬鹿らしくなって、士気も落ちてくるもので、そういう人は、外部の、内部情報を求める側にとっては格好のターゲットになってきます。そういう人には、自然と仲間もできてくるもので、内部に、外部に「買われた」人々のネットワークのようなものもできてくるものでもあります。
愛知県警の内部がどうなっているのか、よくはわかりませんが、経済的に豊かな地域でもあり、長年の時の流れの中で、そういう、「買われた」一群があり、代々、ベテランから若手へと引き継ぎながら、金で情報を、組織を売る、ということを繰り返している可能性はあるでしょう。元検事の著名弁護士まで逮捕して臨んでいるところに、そういった過去の悪弊を断ち切ろうという、愛知県警(さらには警察庁)の、並々ならぬ覚悟や決意を見るべきなのかもしれません。