皇太子ご夫妻のオランダ訪問「うれしい」 駐日大使語る

http://digital.asahi.com/articles/TKY201304270019.html

雅子さまの体調を見きわめ、ご夫妻での訪問が正式発表されたのは4月19日。出発まで10日を切るという直前の決定だったが、フォレンホーベン大使は「柔軟な受け入れ態勢をとっており、まったく問題ない。世界の王族を招待し、それぞれのご決断のプロセスを尊重している。皇太子ご夫妻の出席のご決断を喜ぶのみです」と述べた。

皇太子ご夫妻も、公人である以上、単に尊崇の対象になるだけでなく、厳しい批判にもさらされることは避けられません。それは、国民主権に立つ民主主義国家である我が国では当然のことです。
ただ、雅子妃殿下は、長年、体調不良に苦しんでこられたもので、かつて静養の環境を提供した上、今回も、その状態に理解、配慮しつつ手を差し伸べ、出席の連絡が遅れたことについても大使が上記のように温かく述べ、現地でも最大限の歓待で迎えてくれたオランダに、私は、1人の日本国民として、深い感謝の念を禁じ得ません。
東京裁判で、文官として唯一、死刑判決を受け刑場の露と消えた広田弘毅元首相は、栄達の道へ進む前に外交官としてオランダで不遇な日々を送っていたことがありましたが、その広田元首相に対し、オランダ出身の判事は広田元首相の置かれていた立場に理解を示し無罪を主張しました。江戸期を通じた400年以上にわたるオランダとの関係(その中では戦時中の敵対関係もありましたが)の中で、オランダによる我が国への理解には深く大きなものがあると推察されます。
日本国憲法に関する議論や、その中における皇室の位置づけが今後どのようなものになるにせよ、今後も、日本国における極めて重要な存在として、国民を励まし国家の発展へとつなげる役割を果たすべきことは疑いがないでしょう。このオランダ訪問が、雅子妃殿下の体調がさらに好転する契機となることを願うものです。