児童ポルノ禁止法改正案提出へ

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130401/k10013577511000.html

改正案では、今は禁じられていない、子どものわいせつな写真や画像などの所持を新たに禁止したうえで、みずからの性的好奇心を満たす目的で所持した場合は、1年以下の懲役、または100万円以下の罰金を科すとしています。

「みずからの性的好奇心を満たす目的」を要件とする、いわゆる目的犯とすることで、処罰範囲が限定されるかというと、それは期待できないでしょうね。例えば一方的に送りつけられたデータがPC内に存在した、対象についての認識がなかった、という場合であっても、そういったデータ(客観的には児童ポルノ)が存在していた、ということで、上記のような目的は事実上推定され、そういった目的がなかったことを被疑者、被告人側が積極的に証明しない限り犯罪成立(事実上の立証責任転換)ということになる可能性が高いと思います。そういった、トラップ型の冤罪を危惧している人が少なくないですが、その危惧はおそらく当たっていて、痴漢冤罪のような事態が、単純所持処罰の実現により生じてくることは十分あり得るでしょう。
先日、参議院議員会館内で講演した、

「サイバー犯罪と刑事捜査を考える 〜児童ポルノ単純所持規制の論点」のレジュメ
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20130221#1361432146

といった問題も含め、今後、十分慎重な検討が必要ではないかと思います。