論究ジュリスト(2013年冬号) 4号 「特集 團藤重光先生の人と学問」 (ジュリスト増刊)

昨年6月に亡くなり、本ブログでも

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20120625#1340625054

とコメントしましたが、昨秋以降、上記のような特集が法律系の雑誌のいくつかで組まれてきています。
特集の中でも様々に触れられていましたが、 團藤先生のように、刑法、刑事訴訟法だけでなく少年法にも法哲学にも通じ、と広範囲に活躍する大学者は、もう現れることはないのではないか、ということを、しみじみと感じました。読んでいて特に強く感じたのは、あまりにも有名な人格責任論やそこで想定されている人間像(素質や環境に制約されつつも自らの主体的な努力により人格形成できる存在)の今日的な意義ということで、犯罪ということを考えるにあたり行為の主体である行為者というものを常に見なければならないことや、とかく即物的になりやすい現代社会において人と人との関係や人の内面といったものにも常に関心をもつべきであることを、團藤先生は、その著作や様々な人へ残した教えとともに今後も訴え続けることでしょう。