がん患者、入院放置し死亡 名大病院

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2013031390120449.html?ref=rank

病院によると、患者は08年3月に名大病院で受診し、がんの疑いが高いと診断された。担当医は患者に手術の必要性を説明し、患者は入院と手術の申し込みをした。病院は「入院日が決まったら連絡する」と伝えていたが、院内で入院申込書を紛失し、その後患者に連絡はなかった。
患者自身は、自覚症状がなかったことなどから、ただちに手術が必要ではないのだと受け止め、名大病院へ再受診することはなかった。11年4月に痛みが悪化して再受診。この時に初めて、手術が行われていないことが発覚した。

患者のがんは早期に発見されており、病院の不備がなく予定通り治療がなされていれば完治していた可能性が高い。

名大病院はその後、入院予約システムの電子化と複数の部署で共有する仕組みをつくった。

「放置」という言葉では尽くせない、コミュニケーションに関する教訓が含まれている、という印象を受けましたね。病院が入院申込書を紛失しても、後に導入されたような電子的なシステムが存在していて、そこに登録していれば速やかに手術できたはずですが、登録していなければ電子システムも宝の持ち腐れになります。担当医が手術の必要性をどのように説明したか、記事ではわかりませんが、早急な入院が必要であり不可欠である、という説明が確実にされていれば、患者側が「ただちに手術が必要ではないのだと受け止め」たとは考えにくいものがあります。その辺りのコミュニケーションの取り方には、大きな問題があった可能性が高いでしょう。
こういった事態は、医学の世界でも、また、他の世界でも起き得ることであり、重要な教訓として今後に生かす必要があると思います。亡くなった方は、まだ30代であったとのことで、本当にお気の毒なことでした。