複数の部 体罰や暴言 桜宮高 全生徒・教員調査で

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013012202000237.html

橋下氏によると、教育委員会が十八日に実施した全校生徒と全教員へのアンケートで判明。どの部かなどの詳細は明らかにしなかった。「複数出てきている。卒業生をさかのぼって調査しないといけない」と強調した。市役所で記者団に述べた。
同時に「桜宮高では手を上げる指導方法が、正当化されている雰囲気がある。人事の刷新はどうしても必要だ」とあらためて強調した。

私は、昭和50年代に、中学、高校の野球部で活動していたので、当時の雰囲気がわかるのですが、強いクラブ、部であればあるほど、鉄拳制裁も辞さない、殴って強くなる、といったカルチャーを根強く持っていたもので、顧問、監督だけでなく、先輩が後輩を殴る、といったことは日常茶飯事、というところはかなりあったものです。その後、そういった悪弊は、次第に改められてきてはいるものの、そういうカルチャーにどっぷり染まった指導者は根絶されたわけではなく、それで結果を出してきたといった自負があるほど改められなくて、まだ引きずっている、人が、少数であってもいる、ということでしょう。
こういったカルチャーの恐ろしいところは、結果を出す、ということに目が向いているだけに、被害者やその関係者も、悪弊に染められてしまいそれを当然のこととして受け入れてしまう、という、悲惨な一体化に進むことが多いいことです。一種のカルト教団のようなもので、自分たちが間違った、危険な場に身をおいているということすらわからなくなってしまう、というところに、こういう世界の恐ろしさがあるでしょう。さらに怖いのは、こういった悪弊に染まった生徒は、そういうカルチャーを正しいものとして身につけてしまい、今後、自らが指導者になると、その悪弊のまま指導してしまう恐れがあることです。児童虐待を受けて育った児童が大人になって今度は加害者になりやすい、ということが言われていますが、そういう負の連鎖がここでも起きがちです。
こういった危険な集団は、自己改革はまず無理ですから(カルト教団が、悔い改めてまともな集団になる、ということを期待できないように)、やはり、外部からの改革を徹底的に行う必要があると思います。人事の大幅な刷新は避けては通れないでしょう。橋下市長が言っていたような、入試の中止までは、受験しようとしている人々への影響があまりにも大きく、いかがなものかと私も思っていましたが、悪弊の元凶になっていたスポーツ系学科としての募集停止は、適切な選択であったと思います。危険なカルチャーに染まってしまった集団に、そのままの状態で、外部から人を入れるということは、危険なことであり許し難いことでしょう。その意味で、橋下市長が懸念するものには、私も共感を覚えるものがあります。
今後のこの高校の改革、こういった誤ったカルチャーを持ち続けている集団での改革、といったことに、多くの人が関心を持ち注視する必要があると思います。