取り調べ可視化を制度化 通信傍受拡大も検討 法制審が構想案

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130118/trl13011822480004-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130118/trl13011822480004-n2.htm

取り調べに依存しない捜査・公判の在り方を議論している法制審議会(法相の諮問機関)の「新時代の刑事司法制度特別部会」は18日、取り調べの録音・録画(可視化)を制度化することなどを盛り込んだ基本構想案を公表した。

構想案では「適正な取り調べを確保し、供述の任意性・信用性の判断に活用できる」と可視化の有用性を指摘。具体的な導入範囲としては(1)一部例外を除く裁判員裁判対象事件で原則全過程を可視化する(2)可視化の対象範囲は取調官の一定の裁量に委ねる−という2案を提示した。

容疑者らの防御手法にも言及。弁護側の請求に応じて検察側が保管する証拠の一覧表を開示する制度については「採否も含めて検討」、取り調べでの弁護人立ち会いについては「可視化の成果も踏まえ、当否も含めて将来的な検討課題にするのが相当」とした。

「取り調べに依存しない」という発想自体に限界を感じますが、読んでみると、こうした、有識者を集めて皆でおしゃべりをしながら検討する、その限界はこういうことなんだな、ということがわかるようなものでしたね。記事にもあるように、可視化については玉虫色の両論併記、肝心な点でも問題先送り続出で、結局、「私たちが考えても名案はありませんでした」と世間へアピールしているだけの、無意味な内容のものにしかなっていませんでした。こういうことになるなら、集まって時間をかけること自体が無意味でしょう。
やはり、私が前から繰り返し指摘しているように、国会内に特別委員会でも作り、政治主導で、新たな捜査・公判モデル(取り調べの方法やそれへの裁判所の関与、全面可視化の下で捜査機関に新たな捜査手法をどこまで与えるか、証拠能力の在り方をどう変革するか等々)を徹底的に検討し、幅広く意見を取り入れる努力はしつつも、あるべき理念に基づく正しい内容であるということになれば、瑣末な反対論を排除して一気に断行、実現するだけの決意をもって臨まなければ、永遠に、こういった茶飲み話に毛の生えた程度の議論の繰り返しになってしまうでしょう。こういった、馬鹿げたことは、もうやめてほしいものです。