AKB河西の「手ブラ」写真集に批判 表紙を差し替え2月4日に発売?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130111-00000010-jct-soci

AKB48から卒業する河西智美さん(21)のソロ写真集に、男児が裸のバストを手で押さえる「不適切な表紙写真」があったとして、発行元の講談社が発売前に写真を差し替える考えを明らかにした。しかし、この写真は、スポーツ紙などにすでに掲載されており、読者からクレームが出ていた。
河西智美さんの写真集告知を巡っては、講談社発行の漫画雑誌「週刊ヤングマガジン」が告知ページに「不適切な表現」があったとして雑誌の発売延期をサイト上で明らかにしていた。

落合洋司弁護士は、ツイッターで、児童が他人の乳首を触って性欲を刺激することを禁じる児童ポルノ法に抵触する可能性があるとして、「そもそも、この写真を掲載した媒体の責任も発生しているだろう」と指摘した。
スポーツ紙各紙は、講談社の差し替え発表についてサイト上の記事で報じているが、自ら写真を載せてしまったことについては、まだ説明していない。ただ、サイト記事に載った写真については、説明はないものの、事後的に削除しているようだ。

児童ポルノとは何か、について、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律2条3項では、

3  この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
一  児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二  他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三  衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの

とされていて、本件では、赤字にした部分に該当する可能性がかなり高いと思います。「性器等」とは、同法では、「性器、肛門又は乳首」を指すとされていて、児童であることが明らかな男児が女性の乳首に触っているこの写真は、2号ポルノに、少なくとも外形的には該当します。
問題になるのは、「性欲を興奮させ又は刺激するもの」という要件で、ここを否定する意見もあるようです。確かに、この写真の焦点は、女性に向いていますが、男児がこうして女性に密着し背後から手をまわして乳首を触ったりするのを見れば、そうした姿態により一般人の中に性欲を興奮させ又は刺激する、という効果が出てくることは、社会通念に照らし肯定できそうであり、私が見る限り、その点も肯定される可能性はかなり高いと思います。捜査当局により立件されれば、児童ポルノ該当と認定されるのは、ほぼ間違いないのではないでしょうか。
こうした、エロい写真に、児童を絡ませるということに、そもそも見識の無さを感じますし、児童ポルノに対する取締りが、世界的にも厳重に行われる中、こうした写真が、大手出版社の発行する雑誌で発売寸前まで行ってしまう(フライイングで既に相当数が世に出てしまっているという情報もありますが)、ということに、今後への憂慮を感じます。また、雑誌が発売延期になったり、写真集も発売が白紙にになる、といったことになっていますが、それによる経済的損失、信用の失墜にも多大なものがあるはずで、こうしたグラビアで売り出そうとしていた芸能人のイメージを大きく損ねつまずかせた、こんな無くてもよい余計な写真で、ということにもあきれる思いがします。
先日の、週刊朝日による橋下市長の出自報道でも、こうした出版にあたってのコンプライアンス体制の欠如が指摘されていましたが、本件でも、そうした点についての改善、改革に目が向けられなければならないでしょう。