若返る自民党に改革の予感 中堅若手議員が一大勢力に

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121220-00000500-fsi-bus_all

こうした議員には「改革志向」の人材が多く、結果的に「古い自民党」に回帰しようとする動きへの歯止め役になるとみられる。選挙戦で安倍晋三総裁が強調した「古い自民党には戻さない」という“公約”が、大勝によって図らずも実現することになりそうだ。

戦後、日本がここまでの強力な(最近は衰えていますが)国家になったのは、勤勉な国民性の下、護憲、経済優先、諸外国との協調を旨としてきたが故ではないかと思います。それを支えてきたのが、日米安保条約を基盤とした日米関係であった、というのも、それに対する評価はともかく、厳然たる事実でしょう。日本と敵対してこなかった諸外国にとっても、それは各国にとってメリットがあることでもあった、と見るべきです。
こうした基本路線は、その時々の情勢の中で、時に右に振れ、左に振れ、してきてはいますが、人間の生き方が簡単には変えられないように、特に、日本の場合、それで成功してきた路線ですから、簡単に変えられず、また、変えるメリットも乏しいのではないかと私は思います。自民党改憲案を、全文、読んでみましたが、一部に、首をかしげるような部分はあるものの、日本国憲法の大きな意味での基本路線は変えていない(改正案レベルでも変えられなかった)という印象を、私は持ちました。
現在は、戦後の大きな流れの中では、右に振れつつある状態ですが、今後、振り子のように、振れ過ぎが是正され、真ん中へと戻る動きが出て来るでしょう。諸外国も、日本との関係が冷却化することによるデメリットを感じ取って行き過ぎを是正しようとする動きが、今後出て来るはずです。そのような状況になって、拳を振り上げ威勢の良いことを叫んでいる、では済まなくなってきます。
自民党が、今後、安定した政権運営を目指すのであれば、そうした、国民の右、左への振れをうまく吸収し、右へ右へと振れるのではなく、振れ過ぎたら元へ戻す、そういう機能を党内で確固として持っておくべきだと思います(私は自民党の支持者でも何でもありませんが)。
かつての自民党では、党内の派閥の個性、派閥間の熾烈な権力闘争が、そうした、振れ過ぎを是正して、政権の持続性を支える機能を持っていたと思います。派閥の力がかつてのようではなくなった今日、それに代わる機能をいかにして持つか、ということが、現在の自民党の持つ大きな課題でしょう。そうした観点で見ると、この記事は興味深いと感じました。