http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121012-00000090-san-bus_all
スプリントは米携帯電話市場で、AT&T、ベライゾン・ワイヤレスに次ぐ3位で、契約数は5600万件強。ただ、契約数が1億件を超える上位2社とは差が開いており、高速データ通信サービス「LTE」の設備投資負担も経営を圧迫。2007年から11年まで5期連続で最終赤字が続いている。現在の時価総額は約1兆2千億円。
このニュースには私も驚きましたが、スプリント・ネクステルは、上記の記事にもあるように、上位2社の後塵を拝し最近は赤字続きで振るわず、そういうキャリアを日本のソフトバンクが買収することで、日米双方でプラスの効果が得られるのだろうか、これだけ巨額の投資に見合うリターンが得られるのだろうか、ということについては、素朴に疑問を感じますね。そういった疑念は幅広いようで、今日はソフトバンクの株価が大きく下がっています。
かつてのiモードのように、コンテンツを売って儲ける、という時代であれば、契約者数の増加が利益増大に結びつく、ということになっても、今はそういう状況にはなく、しかも、カルチャーも慣習も異なる米国で、上位2社にどこまで伍して行けるか、という難題が横たわっていて、イー・アクセスでやめておけばよかったのではないか、という印象が払拭できません。かつて、安国寺恵瓊が織田信長を評して、「高ころびに、あおのけに転ばれ候ずると見え申候」と評し、その後、本能寺の変で予想通りになったことが有名ですが、スプリント・ネクステル買収が、ソフトバンクが「高ころびに、あおのけに転」ぶことにつながることになるかもしれません。