SEXライフ聞きすぎ警官訴えられた!屈辱、心労、31歳女性がPTSD

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120902-00000044-sph-soci

告訴状によると、夫は1月25日、酒に酔って飲食店の女性店員の体を触ったとして強制わいせつ容疑で和歌山西署に逮捕された。夫は否認し、女性は2日後に参考人として出頭した。
当初は、事件当日の状況や夫が酒に酔った時の様子などを聞いていた巡査部長だが、途中から“方向転換”。「性生活について聞きたい」と切り出すと、「夫のためになるから」と必要性を前面に押し出し、「どうやって始まるのか」などと夫婦の夜の営みについて露骨な質問を次々と繰り出した。巡査部長の聴取は延々3時間半に及び、女性は「恥ずかしさと惨めさを押し殺して答え続けた」という。

肝心の調書には、性生活についての内容はほとんど記載されていなかった。

共同通信からコメントを求められた際にも言ったのですが(私のコメントが出ている新聞もあるようです)、性犯罪の動機、経緯を解明するため、こういった夫婦間の性生活についても取調べで聴く、ということはあり得ることで、それ自体がいけない、とは言えないと思います。しかし、そういった目的から、自ずと聴くべき内容も限定されるもので、根掘り葉掘りと、「どうやって始まるのか」などと執拗に聴くのは、必要性を肯定することがかなり困難でしょう。考えられるのは、取調べ官の興味本位のほか、記事によると被疑者は否認していたということですから、その腹いせや嫌がらせ、といったこともあり得るのではないかと思います。
こういったことで、ますます警察不信が高まり、善良な市民からますますそっぽを向かれて、捜査が困難になる、ということを、捜査に携わる人々は念頭に置いておくべきでしょう。

追記:

夫逮捕で参考人聴取の妻 執拗な質問でPTSD
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20120903142108499

元検事の落合洋司弁護士は「PTSDになるほど細かく聞く必要があったのか疑問で、興味本位と思われるようであれば不適切な取り調べだった。性生活について露骨に聞くことは精神的苦痛を与え、特別公務員暴行陵虐致傷罪の構成要件である陵辱・加虐の行為に当たるが、密室の中で起きたことであり、立証上の難しさはある」と指摘している。

こういうこともあるので、被疑者だけでなく参考人の取調べの可視化、ということも、今後、検討される必要がありそうです。