私、社長ではなくなりました。 ― ワイキューブとの7435日
- 作者: 安田佳生(やすだよしお)
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2012/02/28
- メディア: 単行本
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著者の話は、確か日経ビジネスに出ていて読んだ記憶があったのですが、書店に立ち寄ったところ平積みになっていて興味を感じ、買って読んでみました。私も、ちっぽけであるとはいえ、法律事務所の経営者ですから、そういった観点で、特に参考になる内容でした。こういった、人材関係のビジネスというものがどのように展開されるものか、ごく断片的な知識しかなかったので、その点でも参考になりました(と言っても新規採用の予定はないのですが)。
ワイキューブ破綻の原因を、この本を読んだ上で私なりに整理すると、
1 コアになっているビジネス(人材コンサルティング)の占める比重が大きく、それがリーマンショックを機に大きくダメージを受けたことで壊滅的な影響が出た
2 借入金が会社の身の丈をはるかに超えて大きく、返済や金利負担が、1での業績急降下で大きな負担になった
3 1や2を乗り切るだけの会社の体力があまりにも弱かった
ということではないかと思います。私自身も、上記の1や2については、日頃から意識していて(3については、体力と言っても私がいるだけなので)、仕事を特定の何かに大きく依存することがないようにしたり、借金はしないようにするなど、注意はしています。1から3に注意しておけば、景気が変転したり、取引先がいきなり倒産したりしても、何とか持ちこたえることはできるはずで、日頃から自分が考えていたことを整理することができて、読んで有益であったと感じています。
著者は、ワイキューブ倒産でかなり厭世的な気分になっているようですが、経営者としてではなくても1プレイヤーとして、今後もその有能さを発揮し、社会に貢献してほしいと思います。