ホテルのクオカード付き宿泊プラン人気 「事実上」割引で顧客囲い込み

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120717-00000001-fsi-bus_all

出張族のビジネス需要を中心にプリペイドカード付きの宿泊プランが人気を呼んでいる。コンビニエンスストアなどで利用できるクオカードをホテル側が宿泊者に提供し、事実上の割引となるためだ。企業が出張費削減のため、宿泊費の「実費支給」が増えていることも人気の背景にある。

カード分まで会社に請求するのは違法だ。悪質な場合、刑法の横領罪に当たる可能性もある。「そんな手口は聞いたことがない」(大手運輸会社)、「請求額が突出するのですぐに分かる」(流通関係)など、これまでは大きな問題になっていないようだが、業界関係者は「不正請求が発覚すれば差額分の返還だけでなく、責任を追求される可能性もある」と行き過ぎた経費請求に注意を呼びかけている。

犯罪として考えられるのは、こういったカード分まで含めて所属組織に請求することによる詐欺罪、先に概算で出張費を支給されている場合は後日の精算の際にカード分を返還せず領得する横領罪(業務者による、ということであれば業務上横領罪)ということでしょうね。ただ、常に必ず、そういった犯罪が成立するか、というと、必ずしもそうではない、と思います。要は、こういったカードが実質的に宿泊代の値引きとして行われているか、あるいは、宿泊者個人に対する特典として宿泊代支払に対して与えられているか、という、評価の問題になると思います。
利用者としては、カード分を差し引いて出張費を請求せよ、ということになると、カード分は自腹で買い取ったことになり、そういう負担をなぜ受けるのか、ということになるでしょう。基本的には、航空会社のマイレージ等と同様に、個人に対する特典と見て、詐欺罪、横領罪の成立は困難、と見るべきではないかと思います。
ただ、カード分が支払った宿泊代に対してかなり高額であったり、会社等が、こういったカード分について申告を求めている(その場合には実際に支払った金額を申告し、会社等にカードを提出するという取扱いになるのでしょうか)、といった事情の下で、上記のような行為に及べば、詐欺罪、横領罪が成立する可能性も排除はできません。
犯罪が成立するかどうかには微妙さがありますが、所属する組織の経理処理の方針に従って、慎重に対応する必要はあるでしょう。