iPhoneを最優先して売り、一定以上の販売台数を約束するコミットメントはドコモにとって重い負担だ。
iPhoneについてアップルは、アンドロイドを下回る料金設定を要求するとされる。だが「端末によって料金を区別するのは難しい」というのがドコモの立場だ。
そのほかにも「iPhoneはほかの商品と一緒に発表してはいけない」といったさまざまな制約がある。
搭載するソフトやサービスをアップルが細かく規定し、通信事業者の自由度が低いiPhoneを導入すると、中期経営計画で描くシナリオが崩れるというのだ。
4月に始めたばかりのスマホ向け新放送「NOTTV(ノッティービー)」、音声認識サービス「しゃべってコンシェル」、情報配信サービス「iコンシェル」……。ドコモが打ち出した独自サービスの大半はiPhoneの仕組みと競合する。iPhoneを品ぞろえに加えれば、せっかく自社で開発した成果が無駄になってしまう。
ドコモがiPhoneを扱えば「旧電電ファミリー」と呼ばれる国内の携帯電話メーカーが一段と苦境に追い込まれ、端末調達の足場がぐらつくリスクもある。
日経ビジネスが放ったスクープ(?)について、日本経済新聞が否定しつつ解説する、という、妙なことになっていますが(笑)、それはともかく、上記の記事は、なかなか説得力があり、なるほど、と思わせるものがありますね。
結局、NTTドコモは、存在自体がガラケーのようなもので、自由度の高いandroidとタッグを組み、グローバルに展開するアップルやiOSと対抗して、ドメスティックな王国を死守しようとしている、ということになるのかもしれません。そういったNTTドコモの思惑が、敵の敵は味方的なサムスンの思惑と、現状では合致しているような面があると思われますし、ここまでサムスンに依存している現状では、記事でも紹介されているアップルの厳しい要求を呑んでiPhoneも併売する、というのは至難の業だろうな、ということは、素朴に感じ理解できます。
残念ながら、NTTドコモが、現在の路線(ドメスティック王国死守路線)を大きく転換しない限り、ドコモ版のiPhoneを日本国民が使える日は来そうにありません。
次期iPhoneは、ほぼ確実にLTE対応になるはずですが、simフリー新iPhoneが、どこまでドコモのXiに対応可能なのか、simフリーiPhoneをドコモのsimカードで使っている私としては、大いに気になるところです。