証拠改ざん・隠蔽:有罪の両被告、その瞬間、表情こわばり

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120330k0000e040217000c.html

捜査の中枢を担っていた元検察幹部に、大阪地裁は30日、有罪判決を言い渡した。検察を揺るがせた大阪地検特捜部の証拠改ざん・隠蔽(いんぺい)事件。

既に

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20111019#1318993000

でコメントしていたように、有罪はほぼ確実で、実刑の可能性も大きい、と私は予想していたので、執行猶予がついたことに、むしろ意外感がありましたね。まだ判決要旨を見ていませんが、被告人らが懲戒免職になり、今後、法曹界へ復帰する見込みもほぼなく、大きな社会的制裁を受けていることや、先行して発生した証拠改ざんという未曾有の事態に対し基本的には「なすべきことをしない」という不作為犯としての要素が強かったことが、被告人らに有利な方向で考慮されたのではないかと推測しています。
他人には厳しいことを言い、ないものを作ってまで、人によっては自殺にまで追い込んでおきながら、身内の犯罪はかばって握りつぶしてしまう、それも特捜部という検察の桧舞台で、特捜部長、副部長という中枢を担う人物らによって、という醜い実態が、まだ1審とはいえ裁判所による判決という形で赤裸々になったわけですから、国民の不信感がさらに募るのは確実で、検察組織への打撃には大きく、深刻なものがあると思います。
今後、この事件が、検察が背負う重い十字架として、様々な形でその背に食い込み、多くの関係者を苦しめ続けることになるのは確実でしょう。

追記:

有罪判決に「検察の土台揺らいでいる」と元検事
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120330/trl12033019570010-n1.htm

元特捜部長、副部長が見たら、頭から湯気を出して激怒しそうなコメントですね。

元検事の落合洋司弁護士の話「検察側の証拠構造が堅固に構築されていた。改ざんをした前田恒彦元検事には、あえてうそを証言する動機はないし、他の検事の証言とも整合性が取れていた。控訴しても、ひっくり返すのは難しい。執行猶予になったのは、2人が改ざんを主導したわけではなく、今後の法曹復帰の可能性もないからだ。検察は土台が揺らいでいる。組織を一度壊すぐらいの勇気をもって、取り調べの全面可視化など踏み込んだ改革をするべきだ」